『関ヶ原』でカタルシス
いい映画は、本編が始まって2~3秒もしたら『あ、これ本気の映画や』ってわかる。
『関ヶ原』もそんな映画の一つ。
監督・スタッフさん・役者、皆さんの気迫がスクリーンや画面という境界線を飛び越えて伝わってくる。
自宅でそんな映画に出逢ったら『あ、これ途中で一時停止とかトイレ行ったらあかんやつや』と自分のモードを切り換える。
何が凄いって、戦(いくさ)のシーンでの周りの名もない兵一人ひとりの気迫のこもった演技。
細かく、きちんと殺陣がついていて見応えが凄い。
名もない兵の戦っている姿を観ていると、戦国時代はきっとこうやったんや・・・。
と、圧倒されてしまう。
エキストラなんていない。
一人ひとりが生きていて、勝つ為に戦う。
この映画の主役は、兵士達なのではないかとさえ思った。
・・・とは言いつつ、やっぱり役つきの方々の芝居もとても素敵です。
個人的に好きなのは、西軍でありながら石田光成(西軍)を裏切った小早川秀秋。
この映画を観て、小早川秀秋に初めて同情しました。
いい役者は、どんな作品でもその役者は光ってくる。
でも、いい作品というのは、役者だけでは創れず、スタッフさんだけでも創れない。
スタッフさんと役者の本気が見事に噛み合った時、その作品はとてつもない説得力で観る人の心を惹きつける。
この時代を必死に生き抜いた先人達の熱い魂が、映画を通して伝わってきて込み上げるものがある。
映画館で観るのがお奨めやけど、自宅の画面でも十分に堪能できます。
戦国時代を生きた方々の思いは、現代を生きる私達には想像し難く、尊く、胸を打たれるものがあります。